触診は、その向こうを見る・その2
さて、続きです。

表面を感じることは誰でも訓練するとできます。

しかし、その内側になると、その内側に何があるのかを知らないとできにくいです。

だから、解剖書をじっと見たりしながら、皮膚(その層)血管・膜・臓器・当然筋肉・骨などをイメージしながら訓練します。

野口晴哉先生は、足袋を履いた足で、厚い布のしたの縫い針の位置や、糸を通す目の方向を言い当てたそうです。

その話は、「回想の野口晴哉」に書いてあります。

触診の訓練は、一般人から見ると馬鹿げた超能力の訓練に見えるかもしれませんが、それが続けると本当に色々なことが分かるようになります。

東大阪の町工場の人が100分の1ミリを削るらしいですが、そういったことと通じるところがあります。

初めは、感覚よりも運動系の方が優先で動きます。

それが繰り返されて体が覚えると、今度は正確にその物事をやろうとして「フィードバック」という感覚からの情報で運動修正が行われます。

そして、それをまた繰り返すことで、その神経経路は強化されていきます。

神経は、良いも悪いも繰り返すことで「強化」されるんです。

だから、

・やったことのあることは、すぐにできる。

・しかし、やったことのないことは、できにくい。

・でも、繰り返すとできるようになる。

んですね。

そして、触診の話に戻しますが、

その向こう側・・・実際には見えない「向こう側」を手の感覚を視覚のイメージに同調させて

硬さ
柔らかさ

温かさ
冷たさ

質感

などを感じ取ります。

相手に手を当てます。この時に皮膚に手を当てる時点で、相手の意識のフィールドにはすでに侵入しています。

ここで、ブロックが起きたら、その先は無理です。

人は触られる前から、色々な情報を感じ取ります。

当たり前ですが、相手の呼吸状態よりも速すぎる速度で侵入すると、体が固くなります。
目に向かって手を向けても、固くなりますね。

そういうブロックを起こさない「触診」を行うことが重要です。


変な話ですが、「スリ」の人が財布を抜き取る時に相手が感じにくい状態で抜くのも技術の一つですね。

混んでいるところや、他に気をとられているときに、ポケットから財布が抜かれた感覚を気づきにくい角度で抜き取る。

まぁ、スリをしたことも訓練したこともないので分かりませんが、そういう瞬間があります。


感覚は、意識を集中すれば鋭敏になります。

だから、検査・触診・治療・全てにおいて、その意識を「向かわせるべき時」と「向かわせてはいけない時」を判断するべきです。

意識が向かえば、その経路は強く活性化されます。

しかし、それが悪循環のループなら、意識をさせてはいけませんね。

そのループを強くします。

痛みのある箇所を何度も強調すると、意識がそこを注目するようになってしまいます。

過敏なところは意識を分散させ、感じにくくなっている鈍感なところは意識を持っていくように誘導する。

それが、触診でも検査でも治療でも、重要なキーポイントになります。

そしてそれは、問診や患者さんとの話の中でも言葉によって行います

続く。
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【2012/12/05 14:22】 | カイロプラクティック | page top↑
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